ヤクザの話ということで、ついついきったはったの話を想像していた。
ものすごい誤解だった。
元ヤクザの猫組長……むちゃ頭がいい人だった。筋肉と刺青のおじさんや、トレンチコートと機関銃を持った怪しい人たちの出番はないです。ほぼ頭脳プレイのみ。すげーーー。暴力に裏打ちされているとは言うけれど、やっていることは地道な交渉とか調査とか。銃弾の飛び交うようなマフィアの話はどこ?
正直に言います。副題のように稼いだ手口を明かされても、一般人にはまねできません。合法違法はともかくとして、理解に及ばない内容でした。
インテリヤクザってすごい。本当にそこいらの銀行員よりもいろいろなことをよく知ってらっしゃる。警察官も手を焼くわけです。薬とか銃とかそんなものではなく、扱うのは金そのもの。それも国をまたいでスケールが大きい。
この本の出版が2017年なので、時事情勢はいささか古いところはあるけれども仮想通貨の話、マネーロンダリングの話、カジノの話。
金のある所に暴力あり、何よりも怖いのは今世界で覇権を取っているドルだというのはよく伝わりました。この状況は今でも変わっていないよね。たった二年だもん。
そういえば、昔海外旅行をするときには予備にドルをもっていけばいいよ、と言われたのを思い出します。ドルだったら、世界どこでも通用するからというのがその理由だったのだけれど。
それから共謀罪とパレルモ条約の話。こんな話全然知らなかったよ。共謀罪審議の時、パレルモのパの字も出てきたかな? 全然新聞で見た覚えがない。関心がなかったので見逃していただけなのかな。頭のセンサーに引っかかってもいませんでした。テレビでは一般人も逮捕されて大変といわれていたような、いないような。これを読むと、ちょっと共謀罪悪くないんじゃないかなという気持ちになりました。怖いものじゃぁなかったんですね。
このところのニュースに関連したところというと、横浜市がカジノでもめているという話かな……あれも、結局そういう縄張り争いとか、金の分配の問題とか、そちらの争いが裏にあるのかしらん。マスコミが報じている以上の何かがあるのは間違いない。
ちょっとググってみると、カジノはほかにも候補地があるのだそうだ。日本でカジノを含めた街を整備する予定なのは三か所。候補地はたくさんあるけれど、有力なのはなになに、大阪、苫小牧、長崎??? でも、最新の記事を見ると横浜の表明を受けて、アメリカ系の企業が横浜に舵を切ったとか。
今は横浜、大阪、苫小牧、あたりが有力候補みたい。ただいま候補地同士絶賛机の下での足のけりあい中かな? 2022年あたりに予定地を確定して、2025年くらいに開業ですか。
ギャンブル中毒とかというレベルではない闇の部分が透けて見えて、ちょっとだけのぞいてみたい気がする。
猫組長さん、お持ちの極秘資料の公開をお待ちしております。
ヤクザとオイルマネー 石油で250億円稼いだ元経済ヤクザが手口を明かす
渡邉 哲也 猫組長 徳間書店
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